ベネチアの夜に燃えて
」のレビュー

ベネチアの夜に燃えて

リン・レイ・ハリス/内田一奈

できちゃった婚 愛が和解を呼び込む

2016年11月19日
試し読み不可能な作品でしたが、同一原作者、同一先生のコミカライズの「時間外の恋人」の兄妹編とレビューアーのかたの説明で解っていたのでいつも内容を少しでも確認してから判断する私にしては例外的な試し読み無しの購入です。

ベネチアやイタリアの湖畔は雰囲気満点。仮面舞踏会で知り合うのも、一種のアバンチュールとして、危険だけれどどこか魅力的設定なのも、よくわかります。
景色がきっちり入っていますが、兄編はここまでなく、そこはこっちの方は遥かに丁寧な滑り出しでしたが、どちらも線が何となく選ばれて引かれた印象。線が弱い感じがするのです。反面男性が皆ワイルドめなタイプ。それは魅力のひとつかもしれないけれど、人物像にもう少し質量的なものが欲しい気がしてしまいます。

いろいろな要素が、不幸なのかそうでもないのか、困っているのかそうでもないのか、わかりづらい状況で、二人のストーリーの役割がはっきりしない。どこに焦点があるのかー

なんだか身体の相性を前面に出せない分、愛してるとの描写を持ってきたみたいな、読みながら愛情場面にあまり入り込みきれないような感じがしました。

はっきりしないものはなにもはっきりしないまま、という印象なのです。
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