まさに、罪よりも、です。題名は体を表す。





2016年11月20日
罪は罪、でも、証言ひとつで軽重が左右される。こういう罪が懲役刑になるものなのかとの意外な驚きも私にはあったが、ヒロインのルシアは執行猶予が付かない厳しいものだった。出所の日が物語の始まり。社会復帰には恐らく大概受けるであろう強い風当たりが、このストーリーの場合は篤志家による温かい心配りによって、遮断され、厳しかったルシアの服役生活の疲労を解いてくれた。
HQだから、これ以上過酷なさだめをヒロインに与えなかったけれども、迎えられた温かい人の息子こそが、誰あろう自分の罪によって多大な損害を被り、ルシアの罪を決定付ける目撃証言をしたグレイ、その人だった。
こうした皮肉な巡り合わせというものはドラマチックになるので、そんなことあるかいと、白ける人は別として、読者はそのドラマがどこを向くのかを味わうのだ。
被害者と加害者の関係では、許せる許せないの次元が通常だろうが、ここは永遠のハピエンロマンス、ハーレクイン。男性はヒロインと恋に落ちると決まってるHQ様式。そしてこれまた通り相場の、はじめの頃の反発。
昔の悪い仲間が近づいて来たりなど展開はそこもある意味オーソドックス。
だが、彼はヒロインへの愛情を自覚してからははっきりしてる。意地を張ったりせず、扱いが変わる。その辺のスパッとした変化は、二人が自然に愛を育てるみたいでとても好ましく、読み進めるのが気持ち良い。相手を意識してしまう、そのもどかしい間柄のときの二人に、手練手管もない。
恋する状況には初々しささえあって無防備にも見えてしまう。これでは、かつては裁判で敵味方だった互いの立場がまずくならないのかと心配するのは、読者である自分だけなのかと思ってしまう。
終盤近くのシーンは緊張感あり、グレイの察知力と行動力とを見せてくれる。
このストーリーはグレイの母親の抜群の行動力なくては成立し得なかった。二人は彼の母親ローズマリーに足を向けて眠れることはできないだろう。こういうお義母さん、普通いない。驚くほど様子が見えており、そこがこのストーリー、爽やかで心が洗われるのである。愛が罪を乗り越えるには、ローズマリーの、事情への深い深い理解があってこそだった。
愛を自覚してからのグレイもやるべき事を必要なときにおこなっていて、そこも、スッキリする。
HQだから、これ以上過酷なさだめをヒロインに与えなかったけれども、迎えられた温かい人の息子こそが、誰あろう自分の罪によって多大な損害を被り、ルシアの罪を決定付ける目撃証言をしたグレイ、その人だった。
こうした皮肉な巡り合わせというものはドラマチックになるので、そんなことあるかいと、白ける人は別として、読者はそのドラマがどこを向くのかを味わうのだ。
被害者と加害者の関係では、許せる許せないの次元が通常だろうが、ここは永遠のハピエンロマンス、ハーレクイン。男性はヒロインと恋に落ちると決まってるHQ様式。そしてこれまた通り相場の、はじめの頃の反発。
昔の悪い仲間が近づいて来たりなど展開はそこもある意味オーソドックス。
だが、彼はヒロインへの愛情を自覚してからははっきりしてる。意地を張ったりせず、扱いが変わる。その辺のスパッとした変化は、二人が自然に愛を育てるみたいでとても好ましく、読み進めるのが気持ち良い。相手を意識してしまう、そのもどかしい間柄のときの二人に、手練手管もない。
恋する状況には初々しささえあって無防備にも見えてしまう。これでは、かつては裁判で敵味方だった互いの立場がまずくならないのかと心配するのは、読者である自分だけなのかと思ってしまう。
終盤近くのシーンは緊張感あり、グレイの察知力と行動力とを見せてくれる。
このストーリーはグレイの母親の抜群の行動力なくては成立し得なかった。二人は彼の母親ローズマリーに足を向けて眠れることはできないだろう。こういうお義母さん、普通いない。驚くほど様子が見えており、そこがこのストーリー、爽やかで心が洗われるのである。愛が罪を乗り越えるには、ローズマリーの、事情への深い深い理解があってこそだった。
愛を自覚してからのグレイもやるべき事を必要なときにおこなっていて、そこも、スッキリする。

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茉莉花 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:19件
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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件