静かに満ちていき確信に変わる美しい愛情





2016年12月5日
愛し合っての結婚ではなかったと傍目に見えても、当人たちはそうではなかった。
穏やかに心の底から愛し合う二人は、信じられないほど結び付きが強くて、それでいて大変に控え目なのでどこかよそよそしい。互いに誠実であろうとしていろいろ考えてしまい、可愛らしいくらいに相手に大胆になれない。
読んでいるこちらはとても清らかなものを見せつけられたような気になってくる。
この夫が、自分の母親から、そして、ヒロインを抑圧する彼女の祖母から、自分が盾となり、実に気持ちよく妻を守るのだ。それだけで胸が熱くなる。
政略結婚であるかのように二人は自分達の婚姻が両家にメリットがあったことを認識している。
しかし、その点も、この夫は綺麗事で騙したりしておらず、寧ろ、清々しいほど堂々としている。ヒロインはと言えば、祖母の圧倒的支配を受けてきたせいか、どこか自然に振る舞えない処があった。それを気持ちよく優しさでほぐして夫は妻をより輝かせることが出来る。妻は愛されているとの自信を夫に植え付けてもらった。
ストーリーは、取って付けた上品さではなく、貴族階級の豊かな暮らしぶりを内側から描写し、同時に、どこでもいつの世でも変わらぬ、たちのよくない嫌みを言う人間や、陰険さをぶつけてくる人も登場。他人を貶めたり攻撃したりすることは、上流階級であろうと身内であろうと繰り広げられる、ということを見せつける。
そんな、時に、攻撃からかばい、ヒロインをとても大切にする姿は、最高の夫だろう。
当初一歩引いているかのような、醒めた人に見せておき、頁が進むにつれ、じんわりと妻を愛するところを見せつけるように構成されている。
如何せん、顔が私の好みとは言い難い。しかし、そこだけだ。服装の方はクラシックが似合う。
財力、資力などを豪邸の外観で打ち出す作品は多いが、本作は建物の内部描写が実に見事だ。繊細にして多様な内装・調度が手間を惜しまず描き込まれ、どれも歴史物に相応しい存在感があり、味もある。
巻頭のカラー頁の色使いがこれまた高い画力を伺わせ、ほかのも、カラー頁が見たいと思った。
穏やかに心の底から愛し合う二人は、信じられないほど結び付きが強くて、それでいて大変に控え目なのでどこかよそよそしい。互いに誠実であろうとしていろいろ考えてしまい、可愛らしいくらいに相手に大胆になれない。
読んでいるこちらはとても清らかなものを見せつけられたような気になってくる。
この夫が、自分の母親から、そして、ヒロインを抑圧する彼女の祖母から、自分が盾となり、実に気持ちよく妻を守るのだ。それだけで胸が熱くなる。
政略結婚であるかのように二人は自分達の婚姻が両家にメリットがあったことを認識している。
しかし、その点も、この夫は綺麗事で騙したりしておらず、寧ろ、清々しいほど堂々としている。ヒロインはと言えば、祖母の圧倒的支配を受けてきたせいか、どこか自然に振る舞えない処があった。それを気持ちよく優しさでほぐして夫は妻をより輝かせることが出来る。妻は愛されているとの自信を夫に植え付けてもらった。
ストーリーは、取って付けた上品さではなく、貴族階級の豊かな暮らしぶりを内側から描写し、同時に、どこでもいつの世でも変わらぬ、たちのよくない嫌みを言う人間や、陰険さをぶつけてくる人も登場。他人を貶めたり攻撃したりすることは、上流階級であろうと身内であろうと繰り広げられる、ということを見せつける。
そんな、時に、攻撃からかばい、ヒロインをとても大切にする姿は、最高の夫だろう。
当初一歩引いているかのような、醒めた人に見せておき、頁が進むにつれ、じんわりと妻を愛するところを見せつけるように構成されている。
如何せん、顔が私の好みとは言い難い。しかし、そこだけだ。服装の方はクラシックが似合う。
財力、資力などを豪邸の外観で打ち出す作品は多いが、本作は建物の内部描写が実に見事だ。繊細にして多様な内装・調度が手間を惜しまず描き込まれ、どれも歴史物に相応しい存在感があり、味もある。
巻頭のカラー頁の色使いがこれまた高い画力を伺わせ、ほかのも、カラー頁が見たいと思った。

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さらら さん
(女性/50代) 総レビュー数:3件
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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件