好きな人から、出会った時から好きと言われ

16日間も君と会えないなんてさびしいよ。
好きな人にいってもらえる台詞としては本当に嬉しいじゃないですか！
ヒロインは、前向きでガッツがあります。仕事をきちんとやります。そういう素晴らしさが、これまでの雇用主からセクハラを受けたりして、発揮できませんでした。そしてあろうことか、彼女の評判を不当なほど貶めました。ひどい話です。離職理由を以前の職場に照会を入れることは、海外では多いようですが、こんな二次被害、頻繁にありそうですよね。

彼はよく彼女を見ています。振り回しているように見えたけれど、気遣いがあり、ヒロインを大切に扱う細やかさを見せてくれます。彼女の恋愛経験の上での初めてのことに対して、当初は知らぬ故に失礼な物言いもあったけれど、一線を越えるに当たっての描写が、二人の落ち着かないながらも双方の気持ちの高ぶりと慎重さの同居が感じられいい感じです。

彼がヒロインに気持ちを伝えるとき、誤解を解くための一言を添えたり、いつからどう思っていたかを妙なプライドつけず詳しい説明を丁寧におこなうなど、好感度の高いやり方に、爽やかさがあらわれます。ヒロインは、彼がプレイボーイであるとして、信じるまで時間は必要でしたがー。

まだ関係が出来上がっていない頃、彼は、あるアクシデントで服のボタンを外す行為を仕掛かりますが、ヒロインの手がかじかんでいるとでもいった事情を見せてくれない限り、いくらヒロインに対してうぶな人間との認識をしていなかったからだとしても、いくら、急いで救援しようとしていたとしても、なんとなく、ギョッとしてしまうシーンです。
読者への煽りであるなら、演出が欲しいですし、緊急で余裕がないならそこをより具体的にその仕草周辺にしっかり出して欲しかった気がします。

ヒロインが義祖母によくしているのを見ると、このストーリーのヒロインが、これまで恋愛する心の余裕なく生きてきて、社会の男性像もパワハラのセクハラなど、ネガティブイメージ一杯になりそうなところだったと、彼女の事情がたっぷりと示されるわけです。でもここまで真っ向から入ってきてくれる男性に出会えて、一転しました。

落ち着かない人生が、これで落ち着きを見つける、ハッピーが、物語のなかを初めから漂わせていたので、二人の明るい明日を予感させられます。