このレビューはネタバレを含みます▼
眉目秀麗で成績優秀な伯爵家の三兄弟の中で、次男のヒーローは、変わり者で家業も継がず、自由気ままに暮らし、伯爵家の穀潰しと評判が悪かった。
けれどもヒロインは12歳の頃に、ヒーローに出会い、ずっと淡い恋心を抱いている。
ビスク・ドールのように綺麗で愛らしいヒロインは、厳しい父親の元で大切に育てられて、家督と事業を継ぐのにふさわしい伯爵家の三男と婚約するように命じられる。
ヒーローは一度会ったヒロインの事が忘れられず、ヒロインに似せた人形作りに没頭していて、その人形が高値で売買されるほど、人気があるのだけれど、ヒロインと再会したら、本物の方が良いと人形作りをやめてしまいます。
あの手この手でヒロインに迫り、父親に逆らえないと思うヒロインも、ヒーローにどんどん惹かれてゆき、ひたすらイチャコライチャコラするお話でした。
ソーニャ文庫で人形っていったら、ドン引きするくらいの変態エロを想像してたのですが、全然違う!
歪みや執着は全く感じられません。
せっかくの設定が全く活かされず、薄く浅い内容。
ヒロインを溺愛するヒーローがヒロインを可愛がりまくって、とにかく甘い!
そしてエロが多い。
沢城さんは本当にこの作品をソーニャで出して良かったのかな?別のレーベルだったら需要があったんじゃないかな?と、もったいなく思います。
紅茶の味とか、薔薇がどうとか、ディナーのメニューといったキラキラしたお嬢様の生活の描写とか、最後の方で、二人で指を合わせてハート型を作るとか、完全にソーニャ文庫のコンセプトをスルーされていて、本当にびっくりしました。
イラストは、美しく、ヒーローがとても色っぽかったです。
ヒロインが幼く見えたのですが、お話に出てくるビスク・ドールっぽさが良く伝わってきました。