さすがだなぁと素直に感じる作品





2016年12月22日
吉田秋生さんの過去の作品のような、とんがり感みたいなものはないけど、いろいろな事情を抱えて日常を生きる登場人物たちを、淡々と、でもあたたかく見守るような作品だと思いました。王子様やお姫様や執事のいるスーパーセレブや天才や超能力者なんて実はいなくて、私たちは劣等感や挫折感、なにげない思いやりや優しい気持ち…さまざまな現状にさらされながらも懸命に、あるいはひたすらに生きていて、そういう地に足のついた日常にこそ物語があるのかもしれないな…なんて、いろいろ考えさせられました。絵はともかく、ストーリーはさすがのクオリティで、良質な小説を読んでいるかのよう。一流映画の原作になるのも納得です。

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Peachy さん
(女性/50代) 総レビュー数:182件