これぞ山田ﾕｷﾞ作品！

長編｢俺は悪くない｣で山田ﾕｷﾞ作品にどっぷりハマってしまった私であるが、短編集の本作も読み始めるとぐいぐい話に引き込まれやはり大好きな作品になった。
山田ﾕｷﾞの作品は人間への愛(これは恋愛に限らず)に溢れている。
一般的にＢＬ作品はエロを重視するために内容が薄くなりがちである。特にＢＬ漫画の短編作品に顕著な傾向だろう。
その点山田ﾕｷﾞ作品は登場人物の心情を読者に自然と伝えるのがうまく、短い中にも魅力ある人物たちとリアルな世界をつくりあげている。そうなると当然他の作品と比べるとエロ度は低くなってしまう。しかしエロさはいくらでもどんな作品からも簡単に得られるが、この作中に一貫して流れる独特の温かさは山田ﾕｷﾞ作品からしか得られないのではないかと思う。
エロだけのＢＬに満足できない方は楽しめるかと…
以下短編の内容を紹介。

｢やらしい～｣表題作。
｢男なら～｣大学生二人(ｾﾌﾚ)の騒動。
｢悩めども～｣中年リーマン二人
｢カナ～｣リーマンと青年
｢冷えた～｣青年リーマン二人
｢世界の～｣電気屋息子(高校生)と美形リーマン ９歳差 年下攻め
｢からまわる～｣｢世界の～｣続編

※個人的オススメは｢男なら～｣｢世界の～｣｢からまわる～｣。どちらも爽やか！