特装版「親なるもの 断崖」
」のレビュー

特装版「親なるもの 断崖」

曽根富美子

とっても重いです

ネタバレ
2017年2月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 売られた女性達の生き様。

現実に似たことがあったんでしょうね。
時代的にそう遠くはない時代の話だと思うと辛くなります。
これでもか、これでもか、これでもか…と抜け出した先でも女郎上がりということで、虐げられる。
虐げて当然だと思い込んでいる男達に囲まれる梅子。
過去はずっとついて回る。

この時代の女性って何なんでしょう。
売られた女性たち皆が強いわけではない。
絶望して命を絶ってしまう女性もいるし、逆に強くしたたかに生き抜く女性もいる。
気高いけれど、どこか悲しい。
その強さは、そうしなければ生きていけないから身に付けたもの。

現代での性風俗業についている女性は、昔の状況とは違うし、自ら選んで行く人も多い。
こういう職業に就く人は、メンタルを抱える女性も多いようですが、やはり心がすり減るんでしょうね。
体だけでなく。

後半はかなり思想が偏っている部分があり、そういう意味では少し読みづらいです。

読み終えた後、なんともいえない気持ちになるというか、考えさせられます。

こういう時代を経て現代を今生きているんだなと。

自分は生きにくさをずっと感じていて、うまく生きて行けていませんが、それでもこの時代に生きていられるだけで幸せなのかも知れない。
その事に感謝しなくてはいけないのだなと思いました。
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