このレビューはネタバレを含みます▼
全11巻、各196~236ページ(平均200p以上)、すべて表題作(たまに巻末に描き下ろしぽい番外編付)。
このボリュームの読み応えで、このお値段、かなりお徳です。
BL分野では質の高い長編は正直少ないと感じてますが(たぶん商業誌的な規制から)、このお話は良かったです。
11巻は長く感じるかもしれませんが、続けて読むとあっという間!
最初の主役、紺&雷蔵君たちが一番地味(笑)。
彼らも最後まで登場しつつ、ほかの言霊師&紙様が主役になって沢山絡んでくるのでダラダラ長い感じはなく、コンスタントに濃厚に話は展開されてます。
むしろ、
あぁ~もう読み終わっちゃった~〜。。
と続きがないのがすーごく寂しい(泣)。
もっと読んでいたかった!
普通の人間の雷蔵くんが超健気。
時々良い子過ぎて切なくなりそう。
この見た目ハデで中身は超地味な主人公の周囲が、規格外なドハデな人たちばかり。
それぞれキャラがしっかりたっててブレない、困ったちゃん、健気、王様と、いろいろいて魅力的です(笑)。
最初の主人公はもちろん、女王様なアサリ、不動な和記、損な役回りの近衛も大好きですが、ラスト登場の紙様真鉄も好きでした。
雷蔵たちの話は序章、その後の主人公たちはみな言霊師なので、こちらで本作のストーリー背景に深みと幅が増していきます。
後半、過去や和記の話もありナゾもわかって長編として良くまとめられた結末でした。
個人的には琴葉の過去や人形師の設定にツッコミどころや矛盾を若干感じられたのが残念でしたが、それ以上に全体的な読み応えと満足感は星5以上の素晴らしさでしたので、いずれにせよ文句なく星5です!
初めての方でしたが、3桁の投稿数で4,8という評価の高さ、好みの長編でしたので手を出してみました。
が、読み途中で有名な人気作花鳥風月の作者さんだと解って、さすがと納得!
あちらはまだ連載中で手を出してませんが、本作同様主役が2人だけじゃない何組か登場のお話のようですね。
いつか花鳥風月も読みたいです。
BLはどうしてもストーリー背景の浅いものが多くて、最近たいていの漫画は物足りない読み応えに感じてしまい小説に移行してきてますが(小説の方が長編でストーリーがしっかりしてて面白いのが多い)、今回は久々に続きの巻が楽しみでたまらないほど面白い、読んで満足のお話でした。