このレビューはネタバレを含みます▼
表紙とタイトルの“石油王”という響きから、もっとドラマティックなストーリーかと勝手に想像していました。が、読んでいてかなり無理のある設定が多く、半分ファンタジーと思わなければ理解できないです。その原因が幼少期にヒーローとヒロインが2人で書き綴った【物語】にあります。ヒロインは超・深窓の令嬢。ヒーローがその鳥カゴのような場所から自由に(でも心は自分だけに!)してあげるために姿を消して10年後、ヒロインが二十歳の誕生日前に、地位・権力をつけて戻ってくるのですが…。再会以降、ヒーローは昔2人で執筆した【物語】の内容を再現?現実化?していきます。石油王になっていますが元々の出自もワケありそうだし、ヒロインの境遇もイマイチ分かりにくい上に…、たった一晩で廃墟の城を美しい城にリフォームしちゃったの?ヒロインが今まで使っていた部屋の机の引き出しに知らないボタンがあって押したら隠し扉が?!その中を進むと窓から遠くに見たお城に辿り着いて?白馬に乗ったヒーローが現れて??その隠し通路はヒーローが作った?…『オイオイいつやったんだよ』『森1つぬける地下トンネルをいつ掘った?』と多々ツッコミながら、そうかコレはファンタジーだったのかと思い直して読み進みました(^_^;)。
政略結婚をするヒロインを強引に奪ってしまうヒーローなのにファンタジーチックな出来事の数々…。そこ以外は決して悪くはないので中途半端な☆3にしておきます。いくらご都合主義小説でもちょっと非現実的すぎるかな。