このレビューはネタバレを含みます▼
『町田くんの世界』で安藤先生のファンになりました。こちらは5つの短編集ですが、どれも名作だと思います。安藤先生の小粋な仕掛けが効いています。例えば、『マトリョーシカ』だったら、ニーナちゃんと遊理くんのこれまでの時間や、遊理くんの奥底にある気持ちが、マトリョーシカのようにどんどん蓋を開けられて、最後に遊理くんがニーナちゃんへの気持ちに辿り着くところに感動しました。『drops.』は時系列を紐解くのが面白くて、最後はパズルを完成させたときのような達成感があり、ふたりの幸せな現在に温かい気持ちになりました。