最後の王妃
」のレビュー

最後の王妃

白洲梓/池上紗京

2人のシーンが少なすぎた

ネタバレ
2017年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王妃となるべく育てられた博識で完璧主義な主人公だったが、美しい下女を愛する皇太子とは挨拶以外での接触さえないままに、下女が側室となり2人の間に子が生まれてしまいます。
その後、国は侵略され落とされますが、国王となったかつての皇太子は、愛する側室と王子と自ら命を落としてしまい、残された主人公は、国王に必要とされなかった自分、国を守れなかった自分の存在意義を見つけず苦しみます。
そんな彼女の王妃としての最後の気丈な姿に、相手国皇太子の息子は惹かれ、陰から見守るという形で愛されていきます。


ヒロインの苦しみや葛藤はとてもよく伝わってきました。
また王妃でありながら寵愛を受けない主人公というのもこれまでにないお話で、この世界観にどんどん引き込まれました。

ただ、とても残念だったのはヒロインがヒーローをほぼ認識しないまま物語の2/3が終わり、ヒーローは一目惚れしたヒロインに対し、ほとんど会話もした事がないまま求婚。
そしてヒロインもそれをすぐに承諾するという展開についていけませんでした…。
さらにはヒーローが一目惚れ後、陰でどれだけ彼女を思い、気遣ってきたかを、他人の口から伝えられるだけで終わってしまったのも悲しかったです。

ヒーローが5年も陰から待たず、距離を縮めるとかしてくれていたら…。
もしくは2人がヒロインがヒーローに惹かれていく描写がもっとあれば…。

物語としてはとても素晴らしかっただけに、突然現れた恋愛要素が話の流れに乗れなかったという点が残念です。
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