憎めない大王 欲するものを欲しいと言った





2017年5月21日
背景が一つ一つ丁寧に描かれており、人物もまた線一本迄緻密、どれだけ精魂傾けて一作を仕上げているのだろうと、狩野先生のコミックにはいつも感服。
人物がおしゃれで、ページページに配された黒が綺麗に決まり、割り方も大変工夫されていて見た目の楽しさ一杯。HQの作家先生の中でも、狩野先生の世界はクオリティが最高の部類に来るのではないか?
作風は、HQだと、夏よしみ先生と分類的に近いと感じるが、他ジャンルでは時おり名香智子先生を連想する。絵柄は異なるものの、ベタ塗りしてないコマでの黒の差し方にどこか近いものを感じる。
兎に角、絵的な作品力を感じさせるのが、狩野先生のHQと思う。顎の角度や、髪の決まり方がかっこよく、人物のポージングに発散する色気を感じる。
好きだからつれなくされても、また声をかけて、突き放されてもまた声をかけて、ヒロインが手に入らないとは思っていない。気に入ったらとことんそれじゃなきゃ嫌だと、手に入るまで駄々こね状態。周囲もそれを許しちゃう。彼は「暴れ馬」。
何でも手に入れてきた彼が、ヒロインが手に入らないと弱音を出してシュンとなるところ、何だか胸にチクリ。わがままが無邪気で可愛い暴君が、自信をアピールしながらも抱く恐れは、相手の気持ちが見えない恋愛のまさに本質そのもの。
気まぐれな「五歳児」に気に入られ、本心は恋愛感情を持ってはいても、彼が気に入ったおもちゃを手放せないだけではないのかと、そこがわからない。
そして、事実彼から飛び出した言葉に期待を砕かれヨロッとなるヒロイン。
ストーリーは、欲しいものに一直線に行く彼の性格が貫かれて、彼が自ら興したビジネス大国に帰国してからも、自分の都合で振り回すように来てしまう。
直ぐに褪めるなら愛じゃない、真理だ。
振り向かなくても振り向くまで欲しいと言い続ける彼の姿は、とかく大人になると変にそう無邪気に出ていけなくて進めなくなる凡人と違うところ。だからこそ、彼が興した数々の事業の今があるとも言える。
ヒロイン振り回され型の押せ押せアタックの成功物語。でも、ヒロインのほうこそ、彼をいい意味で振り回し、彼の中で確固たる地位を築いてしまった。
彼の行動力を裏打ちする大怪我からの回復が超早い感じが少々つきまとうが、お色気など無くても二人が互いに抱く感情に好感が持てる作品。
人物がおしゃれで、ページページに配された黒が綺麗に決まり、割り方も大変工夫されていて見た目の楽しさ一杯。HQの作家先生の中でも、狩野先生の世界はクオリティが最高の部類に来るのではないか?
作風は、HQだと、夏よしみ先生と分類的に近いと感じるが、他ジャンルでは時おり名香智子先生を連想する。絵柄は異なるものの、ベタ塗りしてないコマでの黒の差し方にどこか近いものを感じる。
兎に角、絵的な作品力を感じさせるのが、狩野先生のHQと思う。顎の角度や、髪の決まり方がかっこよく、人物のポージングに発散する色気を感じる。
好きだからつれなくされても、また声をかけて、突き放されてもまた声をかけて、ヒロインが手に入らないとは思っていない。気に入ったらとことんそれじゃなきゃ嫌だと、手に入るまで駄々こね状態。周囲もそれを許しちゃう。彼は「暴れ馬」。
何でも手に入れてきた彼が、ヒロインが手に入らないと弱音を出してシュンとなるところ、何だか胸にチクリ。わがままが無邪気で可愛い暴君が、自信をアピールしながらも抱く恐れは、相手の気持ちが見えない恋愛のまさに本質そのもの。
気まぐれな「五歳児」に気に入られ、本心は恋愛感情を持ってはいても、彼が気に入ったおもちゃを手放せないだけではないのかと、そこがわからない。
そして、事実彼から飛び出した言葉に期待を砕かれヨロッとなるヒロイン。
ストーリーは、欲しいものに一直線に行く彼の性格が貫かれて、彼が自ら興したビジネス大国に帰国してからも、自分の都合で振り回すように来てしまう。
直ぐに褪めるなら愛じゃない、真理だ。
振り向かなくても振り向くまで欲しいと言い続ける彼の姿は、とかく大人になると変にそう無邪気に出ていけなくて進めなくなる凡人と違うところ。だからこそ、彼が興した数々の事業の今があるとも言える。
ヒロイン振り回され型の押せ押せアタックの成功物語。でも、ヒロインのほうこそ、彼をいい意味で振り回し、彼の中で確固たる地位を築いてしまった。
彼の行動力を裏打ちする大怪我からの回復が超早い感じが少々つきまとうが、お色気など無くても二人が互いに抱く感情に好感が持てる作品。

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romance2 さん
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