尼僧院から来た花嫁2
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尼僧院から来た花嫁2

デボラ・シモンズ/日高七緒

実はとても深く愛してしまっている二人

2017年6月3日
看病シーンに胸が熱くなる。そうか、そんなにも大切になっていたかと。
そして、声をあげるところに、私の胸も痛みがピークに。

素直じゃないけど、でも、直情型なんだろうと思う。
誰もが、二人の間に確かに築かれつつあるものを見てとっているのに、二人だけはそう思ってない時の両人の突っ張りが読み物としてHQだったことを思い出させられたところ。

家族のいない、家族の欲しい、そんなヒロインの心の虚を突いた後半のクライマックスは、折角憎しみが愛に変わるストーリーとして一巻目から二巻目も半分近く進んできたのに、組み込まれ方に唐突感もあった。伏線に偵察という動きの人物を登場させていても、だ。

憎しみの原因はヒロインにとっては血の繋がりだけだったのでとばっちりに近い。
二人が素直に愛し合う二人となったとき、激しい愛憎劇の平和な結末として、尼僧院からでたばかりの頃は考えられなかった関係でも、このようになれるのだとの希望で、このストーリーの、読み物としてのスケールを感じた。
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