愛の囚われ人
」のレビュー

愛の囚われ人

秋元奈美/リン・レイ・ハリス

皇太子に嫁ぐ覚悟は最後まで無いヒロイン

ネタバレ
2017年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 街角でふと知り合ったボサボサ髪の男性を好きになったのであって、今のあなたは違うとヒロインは彼を困らせた。
しかし、彼のほうが、より不誠実な再会の仕方をしたし、探したとかいいながら2年しか経っていないのにもう豪遊して世界中でゴシップ振り撒いてる。
しかも、ガエターノさんの死後間もないうちから。プレッシャー?、でも、再会の時の開口一番は違うだろう、少なくとも。どうしてたんだ、どこにいたんだ、元気そうで良かった、等いくらでもかける言葉はあるはず。誤解の上の別離などではなかったのだから。
それはキャラ故というのなら、生い立ちや謝罪の時の率直さとは別人格なのか?
ヒロインにひどかっただけでなく、アントネッラ王女にもひどい。彼女こそこのストーリーの主役級の立ち位置で貧乏くじを引かされてしまった。

世界を飛び回っての豪遊や、ヒロインを連れてのパリ入りなど、国庫を使っての専用機利用なら、燃料費は税金なのか?事件巻き込まれはきっかけだけ。アクションは隣国の陰謀なら国交問題であり下手をすれば戦争の危機だ。冷えた王宮内の親子関係の改善にしたって、言っておいたからで解決するならはなから悩まなかったはず。ストーリーは滑らかでない。食い散らかしで二人の愛だけが真ん中。

庶民的な王子だという描写をしたいのは解るが、だからって、原点に立ち返ればすべてが万事収まると思ったら大間違いだ!と、言いたくもなるストーリーだった。

秋元先生の手掛ける最初のハーレクインらしいが、原作を読まない私には、こんな子どもが次期国王夫妻になるモンテビアンコ国の国民が可哀想との思い。王子がルックスに少年ぽざがあるのは構わないのだが、むしろそこに秋元先生の描かれる男性の魅力があるしとも言えるのだが、内面は立場の自覚から来る分別が欲しかった。
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