個性的な絵が独特の空気感を放つ





2017年6月22日
ロッコはジョバンニの愛人発言に怒ってはいたが、ジョバンニもロッコもよく似た男に思える。違いはロッコの方が若いというだけ。ロッコがオリヴィアに惹かれたのはプライドを傷つけられたから。一目惚れなのは読めばわかるが、ロッコは本気で「愛」が分かっているのかよく伝わってこない。絵がとても個性的で不思議な世界へ導かれているような気がした。何というか、地面に足がついていない、フワフワ感がある作品に感じました。表情が乏しい、直線の多い絵だからなのか、登場人物の心の動きが感じられない。好みの問題かな?全体的に「冷めている」という印象だったので、最後の頁のステファン・ビアンコの「僕が聞きたかったのはそのセリフだ」という「熱」のこもったセリフに続きが読みたくなってしまった。

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nyanya6 さん
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ナッツ さん
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