たそがれたかこ
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たそがれたかこ

入江喜和

最終巻購入。登場人物が狂人だらけ。

ネタバレ
2017年9月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 入江喜和らしい、静かに狂気的な漫画。最終的に、子供(とフリースクール関係者の大人)以外が全員が身の毛もよだつエゴイストばかりで天晴。私はオーミよりも大人でたかこさんより若く、二人の間くらいの年齢のせいか、子供の方の気持ちがわかるので、オーミに同情してしまう。たかこさんの行動が非常に最低最悪だと思うし、それを笑って「これでいいのだ~」なんて非常に狂ってると思う(笑)。よくねえよ!w 本人はすっきりしただろうが、オーミはこれから女性関係にも悩むだろうし、大好きだったはずのバンドの曲を聞く度に怒りや嫌悪感に苛まれるだろう。バンドが出世したら更なる地獄。たかこさんのこの行動は、別れ話のときに「私を忘れないで」って言って目の前で自サツする、みたいなことだよ。ざっくり相手の心に傷をつけて、そりゃ満足でしょう。オーミはきっと一生忘れないと思う。バンドマンもラジオで無責任に笑っていたが、もしオーミがあれを聞いていたらと思うと本当に可哀想。「これでいいのだ~」は「本当に心の底からいいと思っているわけじゃない」のは承知の上で、頭がおかしいと思う。大人が自分の子より年下の男の子に「恋愛的な目で見てる」と言って振られて他に言うことあるだろ。入江喜和は本当に人の心を抉り倒す漫画が上手。面白かった。
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