このレビューはネタバレを含みます▼
表題作+短編+描き下ろし収録。表題作は中学時代の同級生・再会もの。短編は高校生もの。
「アケミちゃん」全4話
先日読んだ「ポルノグラファー」「インディゴの気分」がとても良かったので、こちらも読んでみることに。前科もちの蒼介と母のスナックを手伝う静雄は中学時代の同級生。良い感情を持っていなかった二人が再会し、田舎の閉塞感漂う中、息苦しい時間を共有することに。こういう苦しくて切ない独特の雰囲気が、凄くリアル。蒼介のグズっぷりがひどくて、駄目な人だと思わせられるのに、静雄への優しさがチラリと見えて…。場末の雰囲気と二人の表情がジリリ。今後の二人が心配ではあるけれど、幸せになって欲しいと願わずにはいられない仕上がりでした。
「青い影」
双子のできる方と言われていた兄・樹がなくなって、残された弟・葉と、兄がテニスでペアを組んでいた片割れの同級生・巧一のお話。え、ここで?と複雑な余韻が残る短編でした。是非、続きをお願いしたい作品です。
「アケミちゃん その後」描き下ろし7ページ
蒼介視点。二人の初H。描写は見えない感じで。この描き下ろしでなんだかホッとした。きっと二人は大丈夫だね。
「あとがき」1ページ
「おまけ」1ページ
★★★★★
「續・ポルノグラファー プレイバック」に「アケミちゃん」の静雄と春子が登場して再読!あちらは静雄が蒼介と出会うちょっぴり前のお話ですね。こちらの描き下ろしに春子からの絵はがきが届いたりして、あーリンクしてる!とニヤリ。あちらを読んでから今作を読むと、また少し印象が変わるかも。ということで、以前は★4でしたが、ちょっぴりupの★4.5に。