このレビューはネタバレを含みます▼
舞台は同じ「刻待アパート」、各話の主人公達は皆同じくその「刻」を待っているわけですが、中学生の男女から妻に先立たれた中年男性まで、バラエティに富んだ様々な人生が描かれています。
根底に寂しさのような祈りのような、静かな雰囲気が貫かれているのは震災後の作品だからでしょうか。
最終話で描かれた、一話の主人公のその後が興味深かったです。
残念なのは、表紙の登場人物達の設定が仄めかされる程度で終わってしまったこと。もう少し巻を重ね、アパートについても彼らについても掘り下げた描写を見せて欲しかったです。