「今日も悪い子!」~2002年埼玉県ピンサロ嬢虐待殺人事件~(単話版)
」のレビュー

「今日も悪い子!」~2002年埼玉県ピンサロ嬢虐待殺人事件~(単話版)

藤田素子

実際、悪い子でしたが

ネタバレ
2017年11月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 暴行に至るまでの心理描写が細かかったのですが、始まってからの描写があっという間で、ろうそくや首絞めなどの拷問に発展していくところの描写が一切なかったのが残念。
イエスマンの夫が加担したきっかけとかも描いてませんでしたし。
夫婦のなれそめは簡潔にして、娘を引取ってからを掘り下げてほしかったです。

主人公の母親目線で描かれているので理想と現実に苦しむ姿がリアル。
あぁこういう人いるだろうなという感じ。
娘目線の描写は全然なくて、題名通りの悪い子にしか見えませんでした。
悪いことをしても頑なに謝らないどころか、反抗的な目つきで激しく睨みつける、そして暴行を受けるようになっても怯えるそぶりはなく、一貫して反抗的な目つきを通していて悪魔のようでした。
あれ程の暴行を受けてもあの目つきのままで無反応…娘という人間性がさっぱり分からなかったので、可愛く思えるところが一つもなかった。

息をひきとる前にお母さん…と恋しそうに背中を見つめていたけど、ならば何故あんな態度を取り続けたの?と、最後の最後までピンとこない。

娘はイヤイヤ期ではなくて、何かしら障害があったのでは?と感じる嫌がらせ(弟のおしャぶりを持ち出し、その上で故意におむつを外して脱糞)行為、癇癪、絶対に謝らないの反抗的な態度と、弟の顔を踏みつけたり物を壊す等々の暴れっぷりでした。

この母の環境で出産直後に子供を引き取るのは無謀に思えるのに、行政が何のアフターケアをしないのも信じられない。
それがあればこんな悲劇にはならなかっただろうにと思います。
娘があんな態度でも育児を理解していれば、良い方向に行っただろうに。

祖父母は娘と孫をぎャくたいして同様に育ててしまったので、彼らが一番の原因に感じます。
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