雪の湖畔の別荘 気持ちは確信に変わる

好きになってはダメよと思ってるところでもう相手の魅力を感じてしまっている。お互い恋に陥る環境全て揃っている中でキスひとつ。これ以上は、というそれぞれのブレーキが作品のクオリティを良くしている。

雪の別荘の外観、外の雪景色のリゾート地の雰囲気がロマンチック！スキーの場面もとても良い。なぜ他のHQにはなかなかスキー場が登場しないのか不思議だ。林間を走る車の絵も、別荘内部も、高級リゾート感が十分表現されていて、HQはやはり画力がある先生に手掛けてもらわないと駄目だとつくづく実感する。
でも、藍先生の描かれる人物画はもっといつも綺麗で素敵なのに、この作品ではメインの男女ともあれ？、という少々素朴な感じ。そこだけ唯一残念。
制作時期の問題なのか？特に男性の全身像はあれ？、という気持ち。

ストーリーは無難にまとめられているため、問題はないが、逆に、ある事情で背を向けていたのにヒロインのことが気になって動き出すシーン、そこにもう少し緩急の落差をつけて展開に変則ギアが入っても良かったような気がする。クライマックスに向かうときの二人それぞれの想いの高ぶりを、ヒロインの決断辺りからドラマを盛り立てて見せて欲しかったと思う。

彼の「ためらい」の理由が一本ストーリーの太い筋となっていて、展開がふらつかず、ヒロインの動きも、気持ちを共感しやすい。ヒロインに思いを寄せる男性の成熟した人格者キャラがまた良い。
こうした大人の恋愛は、HQは幼い画風だとしらけてしまう。
その点、年齢なりのビジュアルで、プロポーズシーンには繊細に双方の気持ちを反映させており、満足。

ただ、HQは変なタイトルが多くこれもその一つ。
これは本当に何とかならないものかと、思ってしまう。