アパートメントブルースプリング
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アパートメントブルースプリング

夏糖

十代の素直さとやるせなさ

ネタバレ
2017年11月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作から高校生が親に置いていかれたアパートの大家をやっているというそのめぞん一刻かわいそう過ぎでは…? という男子から始まる作品集ですが、抜け感のある絵柄が深刻にならずに幼い恋と時にえぐみのある大人が描かれています。
白眉はいつも彼氏から受けた暴力のあとがある浩一と偶然一緒に帰宅するようになった祐樹の高校生カプの「十六時の蝉」で、引っ越しで離れたあと傷のない浩一を初めて見た祐樹はどんな気持ちになっただろうかとか色々思いを馳せました。
小さなやりとりがいちいち心に引っかかる、いい短編集だと思います。
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