嵐のあと
」のレビュー

嵐のあと

日高ショーコ

作者が一番のツンデレで魅了する

ネタバレ
2017年12月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ドライな恋愛関係を好むゲイ社長榊と取引先のノンケ岡田のお話。本気にならない、ノンケに手を出さないはずの榊が岡田と出会う事で心の中に嵐が起こる。人たらし岡田は榊への小さな風が吹き始めた事に気付かないまま距離を縮めていく。二人とも臆病風が吹き荒れた嵐の後に世界が変わる事が怖かったという、性別関係なく人の弱さを上手く突いてくる。嵐の後の晴れ渡った空を二人でやっと歩き始めるところで終わる作品。
手法が憎いんです。要所の決め台詞は短い、足元の描写しかないとかあっさり。二人の熱い感情の高揚感は読者に丸投げ〜。別場面で喜怒哀楽の描写をチラ見させる。ド派手な描写無しでも熱い葛藤を伝えるそのさじ加減がすごい。お見事!「初恋のあとさき」にこの二人の後日談あり。二年後二人で嵐ならぬ雨を降らせているいいお話でした。
あとこの榊さん「シグナル」では主人公の二人を揺さぶるちょっかい役で登場しているけど。ノンケとゲイの不安を出して二人に確かめていたのかな。作品を跨いで楽しませるところもまたお見事です(^^)v
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