BIRDMEN
」のレビュー

BIRDMEN

田辺イエロウ

メチャクチャおもしろい

ネタバレ
2017年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本当に何故もっと騒がれないんだろう…。そう思ってしまう作品です。もう、何度読み返したことか…。今のところ、良作を超えて傑作ですね。
1〜5巻は物語のさわりと言っていいと思います。長い「さわり」と思われるかもしれませんが、彼らの日常や個々のキャラクターの個性、加えて置かれた立場や配役を説明するには必要な巻数ではないかと思われます。それでいて中だるみが無い。小難しい服線や、少年らしいちょっとしたギャグを適度に挟むことで、バランスを取っています。
またこの長い「さわり」が6巻以降に生きる生きる。6巻から徐々にストーリーに変化が出てきますが、非常に丁寧にこれまでの彼らを書いているお陰で、話に無理がなく、主人公の思考にも無理がない。素晴らしい説得力と構成力です。
単純な冒険活劇ではないので、定期的(書き手側の作戦的な)感動はほぼ皆無です。ですが、主人公がかなり思慮深く、真面目で人思い(優しいとは違う次元)なので、時折黒塗り一コマを贅沢に使用して抜かれる白文字の台詞が痛いように切ない。特に読み返すとそれを感じます。

読み込めば読み込む程面白い作品ではないかと思います。まだの方は是非。
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