砂漠に咲いた薔薇
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砂漠に咲いた薔薇

メレディス・ウェバー/汐宮ゆき

悲しみや苦しみを何とかしてあげたい想い

2018年1月3日
砂漠で閉ざされた所に嫁すヒロイン。
契約結婚の体を得て、いいなと思っていた人にまた会える期待と、期限付きの取引への後ろめたさと。
彼は王位第一継承者にして、その婚姻は、はじめから相手選択の自由を前提に考えてはいなかった。

幼少期の両親の悲劇が、彼に容易にヒロインへ心を開かせない。

それでも、数々の良くない思い出が残る場所を薔薇色に変えていくヒロイン。
否定してもひかれていく彼。

エピソードひとつひとつの内容に詰められていることはたくさんあったが、無理矢理感なく展開して楽しめた。

牧場あり、馬も役どころがあり、スルタンの縁結び、古い慣習の壁、医療、チームワーク、どれも中途半端にならずに。

HQに限ることでもないが、西洋の物語の多くに、赤毛に対して特別扱いを感じることがある。
他の髪色とどこか異なるポジションをとる。
しかし、彼が自分を閉じ込めていたこだわりに占める赤毛の存在は、ヒロインによって乗り越えられる。そこまでいく前に彼がヒロインの髪を触るシーンがある。
あれは良かった。
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