このレビューはネタバレを含みます▼
徹頭徹尾、恋を描いた話だったと思います。
「いや 恋だった んで 愛に負けた」
最後の佐伯のこの台詞が、酷く心に響きました。
大抵の不倫ものがそうであるように、夏の愛は、子ども達へと向けられており、まず第一に優先されるのが子ども達です。
それでも、恋が愛に劣っているというわけではなく、夏の恋、佐伯の恋は誰の目にも特別なものでした。(番外編では、不倫した母親に捨てられてしまった子供の良ですらも、夏と佐伯の恋を特別なものだと感じていたのですから、こう捉えて良いのではないかと思います)
賛否両論あるようですが、ラストシーンはあれで良かったと思います。
普通の不倫ものなら、お互いに納得して別れて、やがて過去の綺麗な思い出へと変わっていくのでしょうが、そんな心安らかな終わり方では、まるで愛であるかのようです。
この話は、愛の話ではなく、恋の話なのですから、あれで良いのだと思います。