ふれなばおちん
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ふれなばおちん

小田ゆうあ

一つの恋のはなし

ネタバレ
2018年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 徹頭徹尾、恋を描いた話だったと思います。

「いや 恋だった んで 愛に負けた」

最後の佐伯のこの台詞が、酷く心に響きました。
大抵の不倫ものがそうであるように、夏の愛は、子ども達へと向けられており、まず第一に優先されるのが子ども達です。

それでも、恋が愛に劣っているというわけではなく、夏の恋、佐伯の恋は誰の目にも特別なものでした。(番外編では、不倫した母親に捨てられてしまった子供の良ですらも、夏と佐伯の恋を特別なものだと感じていたのですから、こう捉えて良いのではないかと思います)

賛否両論あるようですが、ラストシーンはあれで良かったと思います。
普通の不倫ものなら、お互いに納得して別れて、やがて過去の綺麗な思い出へと変わっていくのでしょうが、そんな心安らかな終わり方では、まるで愛であるかのようです。
この話は、愛の話ではなく、恋の話なのですから、あれで良いのだと思います。
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