黒い羊は嗤わない~悪意の欠片
」のレビュー

黒い羊は嗤わない~悪意の欠片

坂口みく

3巻まで読みました。

ネタバレ
2018年1月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3巻は美月の兄が容疑者になっている連続殺人の再捜査の担当刑事が登場、味方の叔母さんが緊急入院、過去に傷付けられた元担任と親戚の男が変死、という展開まで。両親を手にかけた実際の現場を目撃したわけじゃないし、“眼鏡の若い男”が犯人ならあの兄の友だちの弁護士も怪しい。美月にずっと保護者の顔して近くにいるのも友情じゃなくて美月を見張る為? それとも何も覚えてない美月が実は犯人? 色んな犯人説が想像できる。昔とは違い、現在はネット社会でいつまでも犯罪者の家族は晒されている。この作品のように容疑者が逃亡しているという設定なら尚更ネット住人の暇潰しになるだろう。何もしていないのに身内が好奇の目に晒される、これが理不尽な社会の現実。リアルでも映画でも散々見た。ただ、その苦悩を中心にしたこの作品におけるドラマ展開は3巻までで、ここからは刑事が登場ということでサスペンスとしての様相を大いに呈してくるだろうから、ポイントの余裕があるときに続きを読んでみたいと思うぐらいには楽しめました。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!