惡の華
」のレビュー

惡の華

押見修造

変態は性癖ではなく成長の意

2018年1月13日
最初に出てくる重要なキーワード変態
随分な大人なってしまった今では、この程度のどこが変態だよ、ただの厨二じゃないか、と読み進めていた。
しかし、最後まで読んでわかったのは、この変態って言葉。
作者が読者に言っている言葉ではなく、中学生である女の子が、中学生の女の子から見ての変態という言葉なだけで変態はテーマではなかった。
どれだけ変態か、どれだけ過激か、と一見取られかねないストーリー。
そうではなく、様々な事情を抱えた少年少女、無性に何か(物理的なものから社会、人の関係)をぶち壊したくなる年頃、学生生活を通じて社会を学んでいく過程とアンチテーゼ。
私も含めかなりの読者が「受け入れられない」「読み続けられない」ストーリーが進む。
しかし、最後まで読むと、これは成長過程を描いた青春漫画、そういう意図だったのかと気づく。
最近、パニックホラーとかサスペンスものばかり読んでたので、過激な掴みからそっち方面と先入観があったかもしれない。
キャッチーな「変態」という言葉や、過激な言動、それでちょっと引っ張られたところもあった。
でも、実際の内容は変態過程を描いたもので脱皮するのかしないのか、はたまた突然変異するのか。
10代はちょっとしたきっかけでいかようにも変わる。
そんなことを忘れた世代に是非読んでもらいたい。
私同様、全然ついていけなくてクソムシがって思うだろうから。
しかしトータルで一番わかるのはそんな人達のような気がする。
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