CANIS-Dear Mr.Rain-
」のレビュー

CANIS-Dear Mr.Rain-

ZAKK

インパクトあるアメリカンな作風〜すごい

ネタバレ
2018年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日本が舞台なのに全体に流れる空気に異国情緒があり、テンポの良い台詞回しと展開と謎の多いストーリーに一気にラストまで引き込まれました。ただこちらは序章的な一冊で「CANIS-Dear Hatter」の二冊を読んで完結になるかと。あ、でもまだ続きそうなシリーズ展開…

オーナー兼帽子職人のサトルはある雨の日にリョウを拾う。死ぬ為にNYから日本に来たと言う不思議なリョウと人手不足に困っていたサトルは同居する事に。

リョウの背景は謎が多く、時折流れるワールドニュースと岩城との会話からイタリア系マフィアの残党っぽくて危なげな人。かなり残虐な背景がありそう。当のリョウは飄々としながらもサトルに懐き大食いで、命令されないと動けない犬っぽさが切なくも可愛い。

サトルの帽子職人としてのプライドある向き合い方が好き。支える英子ちゃん達など脇キャラがとても魅力的。サトルの愛犬だったコタローとの回想シーンとリョウのリンクがいい。リョウが犬っぽいと思ったら、タイトルのCANISって哺乳類分類のイヌ属の事だとは!なるほど〜。それが性格だけなのかマフィアの犬的な役割だったのか気になる。

帽子や衣類のセンスはもちろんだけど、小物やギャグの使い方がオシャレなのよね〜。歯ブラシ一本で人と暮らした事のなさそうなサトルの堅物ぶりを表現したり、誕生日ラスト5秒のファイティングポーズとか凄く好き(笑)刈り上げの美しさって漫画で感じた事がないんだけどサトルの後頭部いいのよね〜。

それにしても雨の似合う二人だ事( *´艸`)サトルは雨男だけあって傘のよく似合ういい男。リョウは土砂降りの夜に二度も行き倒れ、その姿のセクシーな事。タイトルの印象づけもバッチリとは素晴らしい。

こちらが初コミックとは思えない吸引力で驚くばかり。この世界観はずっと浸れる気がする。ラストの次巻予告は映画の様で。あれ見たら読まなきゃ!とポチッとさせられる(笑)すごい技だ。わたしの好みが詰まった素敵な作家さんに出逢えて嬉しいです。次巻は「CANIS-Dear Hatter」の二冊です。
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