サスペンス劇場 暴かれていく秘密

二人の恋の行方はストーリーの中で翻弄されずに、静かにただ燃え続けている。
悪人が悪人然として、分かりやすく常に不気味に睨みを効かせている凄みがあり、至極ストーリーを決めていっている。
HQでなくても通用する設定で楽しんだが、黒田先生の持ち味かもしれないアッサリ線の華奢な輪郭線が、ヒロインの金持ちっぷりの印象を貶めているように感じている。
あの、大人に恵まれない生育環境で、よくぞヒロインは人並みに豊かな感情を育めたものだと感心も。トロイのような人間にならずに。
彼デーモンの方もヒロインの相続資産を二人にとっては余計とする気概が男らしくて素敵だ。ただ、もう少し生身感が欲しかった。
彼デーモンがヒロインを断るシーンにちょっと動かされた。
ヒロインがデーモンにあなたもお金目当てなの？と、問うシーン、ストレートな質問ではっきり口にして揺さぶって彼の真意を確認するのは、自分なら聞きたくても現実には出来なさそう。その反面、勉強を頑張り、彼に認めてもらおうとするところが立派な心がけで根性がある女性で良かった。