神様といっしょ。
」のレビュー

神様といっしょ。

アキハルノビタ

癒しと再生的な神様と人間のドラマ

ネタバレ
2018年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙と中表紙の美しさに惹かれて。初読み作家さんの優しいお話良かったです。ぼんやりとした箱庭的世界感にスッと入り込めました。

お話は愛人と別れ彷徨い行き倒れた九十九は山奥の民家で目を覚ます事から始まり。そこには山の水神様で河童の姿をした朔太郎と人間の男の子百果がいて。

百果は孤児のせいで村の雨乞いの生け贄にされた過去を持つ。
不憫な百果に「水神の嫁」の役割を与えて大事に10年育ててきた朔太郎。
朔太郎を天界に連れ戻しに来た製鉄の神様クロエ。

ネグレクトからの寂しさを埋める為に職業愛人に落ち着いたワケありの九十九。

親密な関係にお金の対価が伴う事しか知らない九十九は朔太郎から百果を託される。人嫌いで愛を知らない百果の為に九十九自身強く優しくなる展開が良かった。

百果に別れを自覚させる為に誘惑してみせる朔太郎の過保護っぷりが切ないけど美しくて見入ってしまう。

都会生活で満たされなかった心を山奥で百果と二人のどかに癒していく展開が良かった〜。百果を安心させた言葉「常識は経験で更新していく物」が生きていた。この先二人で山を下りる日も遠くなさそうな感じ。それまで過保護な朔太郎とクロエのアポ無し訪問は続きそう(笑)

完璧な登場人物が一人もいない中、子どもにも見える朔太郎の愛情溢れるキャラの魅力でラストまで楽しめ、作画のバリエーションが豊富で見惚れました。アクアな神使様も可愛くて。朔太郎がクロエに手を出していた?と意味深な一言に妄想が溢れます(笑)続編でないかなぁ〜
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