これでは「離婚の過ち」

振り回すだけ周りを振り回して、前妻との４年にもわたる痴話げんかのお話でした。読み始めてすぐにマルコの告白があります「彼女に会うのが辛すぎて合うのをやめてしまった」分かっていたのに目をつぶってしまったということ。自分本位な男ですよね。それなのにマリリーナと結婚しようとするなんて信じられない暴挙です。作中では前妻ペイトンとマルコの復縁に至るまでの話が主軸ですが、マリリーナのマルコへの愛と、マルコの気持ちとのコントラストが薄くて読み手側の心を揺さぶるところに誘導できていないのがシラケさせている要因と感じます。これではマリリーナはマルコの財産目当ての悪女に見えてしまって、マリリーナの告白「私はあなたを愛しているの。だからこんな行動をあなたがさせたのよ」に信憑性がなくなっているのです。もっとマリリーナの嫉妬と苦悩を描けていればこのロマンスにリアリティーを持たせることが出来るのにと残念です。