先生の白い噓
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先生の白い噓

鳥飼茜

暴力をうけたことがあるか否かで

2018年3月17日
感情移入できるかどうが変わりそう。
それぞれの闇があって、それをジタバタ遠回りしながら進んでいくのは、読んでる側からするともどかしいけれど…
もしかしたらリアルはもっと足掻いて遠回りしまくってるのかもね。

暴力をはじめとする人からの苦痛を与えられた人の感覚がおかしくなるのは本当にあると思います。
『怒り』を外に出せる人は健常者だと個人的に思ってます。
うまく表せなくて抱え込んでしまったり、歪んだ表し方をしたり…メンヘラって片付けたらラクなのかもでしょうが。

でもどんなことでも人が苦しむのは、たとえどんだけ自尊心をボロボロにされても、幸せになりたい(=自分を幸せにしたい)っていう最後の自尊心が心の底にあるからこそだと思います。
そういう意味では人は強いと思います。

自尊心は人や自分によって簡単に汚されたり壊されたりするけど、なかなかゼロにはならない。
全巻読んで改めてそう思いました。

重くて登場キャラみんな闇って感じですが、物語を通して暗闇のなかの光を感じました。

最後に。トラウマから立ち直るのは簡単なことではない。
最後前に進んだ主人公は偉いですね。
本当に幸せになってほしいと思います。
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