12歳の妊娠~北の果ての楽園~
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12歳の妊娠~北の果ての楽園~

佐香厚子

「悲しい」と「哀しい」

ネタバレ
2018年3月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「悲しい」は短期的な感情を、「哀しい」は長期的な運命や思いを表すと聞いたことがありますが、その両方を感じる作品でした。
まず、一読目に感じるのは「悲しさ」。泣ける作品、という感じです。そして、二読目に感じるのはもっと深くてやりきれない「哀しさ」。わずか12歳でひとりで生きようとする主人公「咲」の姿は、胸に刺さって忘れられなくなります。
ストーリーだけでなく、正統派少女漫画という感じの繊細な絵柄が、咲を見事に描ききっています。
短い部類に入る作品ですが、その短さも良質な余韻をもたらしてくれます。
繊細な絵柄だけに、今一つ心を揺さぶるような「パワー」を感じられなかったのが、星4つの理由です。でも、それは好みの問題でしょう。とても良い作品でした。購入して満足、ときどき読み返すと思います。
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