このレビューはネタバレを含みます▼
前作「雪降る王妃と春のめざめ」よりダークで現実的なお話です。
特に他の方も言われているとおり、地雷があるので要注意!
そこさえなければ神作品です。
ロシェとイスハンの出会いから書かれており、タイトルにある「神の心臓」が出てくるのはかなり後半です。
エピソードが満載ですが、その分詰め込みすぎな感が否めない。
もっと掘り下げると面白いところもさらっと書かれていてもったいない。
後宮のエピソードも、ばっさり削っても支障ないので、もう少し二人のシーンをふやしてほしかった。
後宮のエピソードについてですが、
・ロシェに詳しい説明もなくイスハンは後宮のある間はロシェに会いません(ロシェは女の方が良いのかと悩んでかわいそう)
・後宮には100人ほどの女がいて、子供を生むとお金がもらえるので国のため、家のためと割りきっているとの説明あり(子供置いて実家に帰ってもOK・・子供を金で買っているようでちょっと・・)
・生まれてきた子供の母親は王妃(ロシェ)とされており、子供やその母親をロシェは気にかけて訪れるシーンあり(自分の夫と関係した女と接するロシェの心境を考えると・・)
わりとさらっと書かれていますが、むしろ意に沿わないことを強制されたイスハンの苦悩とかもっと詳しく書かれていれば受け取り方が違ったと思います。
魔法とかでてくるファンタジーに、変なリアルを混ぜられると違和感しかないです。
色んな困難が降りかかって、挙げ句の果てに前作のとおりロシェは身体を失うのかと思うと泣きそうになりました。
リディルのところがこれ以上ないくらいのハッピーエンドなので、少し希望をもちつつ続編を待ちたいです。
閨のシーンは前作以上にステキでした。