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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 臆病者のための裁判入門

    橘玲

    筆者が経験した珍しい訴訟体験が面白い
    2020年5月24日
    筆者は法律の専門家ではないが、外国人の友人の代理人として経験した民事訴訟の顛末を描いている。前半は上記の体験記、後半はそれを踏まえた日本司法の問題提起となっている。
    前半の訴訟体験は、とても面白く読んだ。後半の問題提起として印象的だったのは、『金にならないけど面倒な案件を弁護士は引き受けたがらない上に、金銭的な問題からも弁護士に依頼できない被害者はどうすればよいのか?』という問題である。個人的には、弁護士が社会的な成功ポジションを築き上げている現実ではなかなか問題解決が難しいのではないかと思った。これから社会で副業がすすみ、本業の一方で、副業的な『法的知識もあり、職業人的技術をもち、社会的使命ももった弁護士』が現れることが、解決の一端かもしれない。私自身、そのような人間になれるように、精進を重ねていきたいと強く思った。
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  • 野の医者は笑う―心の治療とは何か?―

    東畑開人

    『絶望』からどう立ち上がるか?
    2020年5月19日
    臨床心理学を専門とする著者が、研究のために沖縄のスピリチュアル療法を体験していく話がコミカルに描かれる。研究をすすめる中で、筆者は自分の研究の価値と臨床心理学そのものの意義に深く苦悩する。このあたりの苦悩が、かなり率直に描かれていて興味深い。いわゆる人文社会学研究にいかに社会に貢献するか?という昨今の問題にもかかわる。
    一度絶望に陥った人間がどのように希望を見いだし、自分を取り戻し立ち上がるのか?という視点で読むのも、面白いのではないかと強く思った。
    読後は、また明日からも自分は頑張ろうと思わせてくれる。
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  • 狂気と王権

    井上章一

    「精神異常と権力機構」という斬新なテーマ
    ネタバレ
    2020年5月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 本書の前半は、『戦前に天皇と皇族に対する不敬罪を犯した人間に対して政府が意図的に「精神異常者」扱いするということが行われていた。
    もしくは、世間体のために、「意図的」に
    異常者を「健常者」として扱った可能性が高い。』という論旨を展開する。
    初版からは25年以上経過しているが、個別的事件を、時代を跨いで、『精神異常』をテーマにひとつなぎに描いていく筆致が今でも斬新で、とても興味深く読んだ。

    もとは雑誌連載を書籍化したものであるからか、後半はまた違ったテーマで書いている。筆者は個人的力量から(と自身で語っている)、近代天皇制ならびに精神鑑定の社会史的な前半テーマを精緻に実証は行っていないと語る。たしかに少し物足りない点ではあるが、精緻な実証ができていないところは 『断定できない』と語る筆者の誠実さに好感をもったし、様々な文献を引用した丁寧な議論についても敬意を示したい。
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