曽祢まさこ短編集 王さまはネコがきらい 忘れ髪の姫君
曽祢まさこ
このレビューはネタバレを含みます▼
誰も傷付かない、だれもがしあわせになれる、そんな幸せなお話でした。
絵もキレイでお話しもキレイで、今の現代あんまりない素敵な仕上がりです。
主人公の姫は万人から不幸を拭い去る、しかしその実は姫自身が髪を通じて他人の不幸を吸い取っていた・・・というお伽話。
不幸に押し潰されかけてた姫が見つけた『自分の 忘れ髪』。
みなし子の笛吹き少年は、自身の笛の音が姫の不幸を溶かす事により、居場所と友達を見付ける。
身分違いの二人を一緒にさせてあげられる妃の 優しいこと。
王様は一人見栄っ張りでワガママだけど、最後には自身の非を認めれる所は、今の政治家よりよほど立派。
『グロ、エロ、泥沼etc』いろんな汚い物があふれる漫画が多い中、これはとてもキレイで優しいので、これなら子供の 教養にさえなりそうです。
『誰かの不幸を溶かせる人が、必ず万人に存在する』それが本当なら、この世界はもっと素敵だったたかもしれません。
そんな気持ちになりました。
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