このレビューはネタバレを含みます▼
漫画史上に燦然と輝く歴史的問題作であり、名作です。
ほんとに恐ろしいのは悪魔や災害ではなく、人間のなかに潜む狂気、という痛烈なメッセージ。
感染症がはびこる現在において、混乱を防ぐために働く医療関係や政治家への心ない中傷や差別。タイトルにも冠した不動明の叫びは、2020年の現在においてもまったくもって変わることなく胸に突き刺さります。
作者の永井豪氏が本作を描いたとき、ほぼトランス状態でこれを一気に描きあげ、後から読み返して自分で驚いたとの手記を残しておられます。ある時代、あるタイミングでしか生まれえなかった作品と言えるのでしょう。
世界中の人に読み継がれるべき名作です。