このレビューはネタバレを含みます▼
アオのハコを読んで、私は青春の眩しさや努力の大切さを強く感じました。主人公の猪股大喜じゃバドミントンに一生懸命に取り組みながらも、同じ学校に通う憧れの先輩、鹿野千夏のことを思い続けるところもいいですよね。
大喜は決して特別な才能があるわけでわありませんが、地道な練習を重ね、目標に向かってコツコツ努力していく姿がとても印象に残りました。自分の生活を振り返ると勉強や部活動でつい結果ばかりを気にしてましたが、大喜の姿を見て「続けることそのものが大切だ」と気付かされました。
また、この作品の魅力は恋愛の描写だけでなく、人と人との関わりの丁寧さにあると思います。大喜と千夏先輩の関係はもちろん、雛を始めとする友人それぞれの思いを抱えており、その気持ちには思わず涙がこぼれていまいました。登場人物たちはまだ未熟で、答えが出ないまま悩みながら進んでいますが、その姿こそが「青春」なのだと思います。
さらに、絵柄の柔らかさや空気感が作品全体の雰囲気を支えておりページを捲るたび胸が温かくなったり、切なくなったりしました。大きな事故が起こるわけでもなくても、日常の中の小さな出来事や心の揺れ動きが丁寧にかかれていることで、逆に心に残るのだと思います。
この作品を読んで、私は「目の前のことに一生懸命取り組むこと」「相手を思いやる気持ちを大切にすること」が、青春だけでなく人生を豊かにして行くのだなと思いました。
なにしろこの作品字数が他の作品に比べて少ない!!メッチャヨミヤスイ