このレビューはネタバレを含みます▼
戦前、戦中、戦後を生きる、瞳子という一人の女性を中心に描く物語。
家庭に居るのが妻の役割だった時代から、自立した女性がいる時代への移り変わりが描かれています。
最初は無理やりさせられる結婚と、直後に出兵する旦那……と、正直面白くない展開が続きます。
古き慣習を重んじる世間に閉塞感や鬱憤が頂点に達した瞬間、覚醒したかのように吹っ切れた瞳子が強いこと…!
その後に旦那とも和解からの超ラブラブ生活。あぁ、報われたーと思ったら今度は別の問題が…。
それと同時に、視点は瞳子以外にも移ります。
このあたりの描き方は佐伯先生の技量でしょうね。どのキャラクターも熱量があり、脆さもあり、力強い。
それぞれの視点に移ることで、各キャラクターが物語の主人公となるのがアツいです。スタートこそ瞳子が主人公ですが、登場人物みんなが主人公でした。
瞳子の実家も嫁ぎ先も裕福な家庭ですし、事業展開の内容はご都合主義かも知れませんか、それも含めて楽しかったです!