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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 薫りの継承【上下巻セット・単行本未収録イラスト付】

    中村明日美子

    「月と六ペンス」にインスパイアされた作品
    2021年11月14日
    p118で竹蔵が読んでいるモームの「月と六ペンス」。このタイトルの意味は、月は『狂気』六ペンスは『日常』の暗喩です。また、月は『夢』六ペンスは『現実』という意味合いもあります。作中で月が4回象徴として印象的に描かれています。中でも満月として描かれた場面で登場する眼帯の男はこの『狂気』『夢』のメタファーだと思われます。そして終盤に登場するホームレスの眼帯の男は、忍がお金を施すところから、六ペンス『日常』『現実』のメタファーというわけですね。眼帯は見て見ぬふり、気づかないふりということでしょうか?「月と六ペンス」はゴーギャンにヒントを得た作品ですので力強い生命力、荒々しい狂気を描いていますが、明日美子先生の描く狂気は、美しくて儚い切ない愛が感じられます。100年の時を経て、モームから明日美子先生に『継承』されたこの作品を、人生の宝物として大切に読んでいきたいと思いました。ちなみに、同級生の中でも左条君がモームを読んでいます。ちょっと心をくすぐられる演出ですね。