このレビューはネタバレを含みます▼
主人公の心情がとても丁寧に書かれていました。
過去のトラウマが大きな原因ですが、自分を卑下し、未来に希望を持たず、生きる事に絶望し、死に救済を求めている様な姿、主人公が抱えている孤独感や苦しみがとても繊細に描かれていました。
よくある順応力があってその世界にすぐ馴染む精神的に強いキャラではなく、他人の悪意に傷ついたり自分ではどうすることもできない問題に悩んだりするどこにでもいるような子で、とても人間らしい主人公だと思いました。
そこがとても惹き込まれました。
読んでいて胸がきゅっとなるところもありますが、主人公が引き取られた先の鬼達が皆優しく主人公が大好きなところでとても心が温まっていました。
人間、鬼の他にも様々な人種が登場します。
皆それぞれ価値観が違います。
私はすれ違いや衝突から主人公の事を知っていって、不器用だけど寄り添おうと頑張る鬼が好きでした。
個人的には読み応えがあり、とても読んで良かったと思った小説でした。
R描写わりと多め、若干3P、攻め以外からの精神的苦痛描写が大丈夫な方であればおすすめしたいです。