このレビューはネタバレを含みます▼
※超長文
強烈なネタバレしますが、伏線回収までよく出来た素晴らしい作品だと思います。しかし解釈が複数あり難しい作品だとも思いました。
そのままループや平行世界にタイムスリップしたと取るか、全てがIF(夢)か、IFは単なるもしもか...。
ここまで描いてくれたのなら、未解決のパスポートループの始まりと、IFまこと16歳が(本編後のさくらと共に未来を見て)1話に戻ったストーリーも読みたかったです(笑)
そのまま読むと全体の流れはタイムスリップ(andトラベル)モノで未来から干渉され歴史が曲がり、パスポートは矛盾し因果ループします。
まぁ大体ここで時間系SFだし矛盾ループも付き物と読み終え閉じる事が多いかなと感じますが、IFを読むことで全ての見方を変えられるのが面白いです。
IFハッピーエンドで、まことによる「夢を見た」という一言で、本編自体が全てIFの夢オチ(or未来を変えた)で説明出来てしまうこと。
もう1つは袋とじ部分(4話 if not)によって、IFは倉橋の夢オチだったと見せつつ、(みい子の顔を見せないことで)そもそもさくらの失踪後、さくらが帰って来たこと自体が夢オチだったと解釈することも出来る点です。
この作りには大変驚かされました。
IFまで全て読むことで複数解釈可能なため、読み手にSFループものとして受け取らせるだけでは終わらない趣向が凝らしてありとても楽しめました。
良い作品をありがとうございました。