ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける
クレイン/ウエハラ蜂
このレビューはネタバレを含みます▼
よくできた設定と構成で上手い!と思える満足する作品。よくある出オチではなく、最後までしっかり練られていて読後感も最高です。
男女どちらからの視点でも感情移入できるし、オススメは壁目線ですね。
二人の年齢が途中逆転し、12歳年下の男の子の保護者から8歳年上の大人の男性との恋愛へ。20年の年月が、執着ともいえるアリステアのララへの愛を過剰に育てます。
ララはそのままで、同一人物の年下くんと年上の男からの愛情を貰うなんて、おいしいしかありません。
ベースのモエはそこですが、この作品、これだけじゃないんです。
ララにいつか褒めてもらうためだけに、聖人君子でもない問題ある性格のアリステアが、荒地を開拓し福祉が整った国を一から創り上げます。何気ない夢ごとをララはアリステアに言っていたのですが、20年も彼を縛り呪いをかけてしまった…という悔恨は辛さと表裏一体の愛情でいい。
20年経ってやっと再会したララの心を貰うために、身体は繋げつつも生涯かけて足掻いて振り向かせると誓うアリステアの心情もいい。
大きくこの3つのポイントで、とんでもない沼に引き込まれてしまいます。必読!