このレビューはネタバレを含みます▼
広告で見かけたので、試し読みをしてなかなかに丁寧な描写と細かい描き込みをされているのに気づき、自分の勘を信じて購入しました。
思春期の少女のスイッチが入ってしまったのは、両親の交じり合う光景を見かけたことから。
きっと、元からそういう行為に抵抗のない女の子なのだろうと思いますが
そんな「くみ」のよそよそしさは家庭内の人間関係にも、青臭い同年代のクラスメイトにも解決する役割を持った人間はおらず。
ちょうどいいタイミングで、父親の部下「上城」がするりと介入してくる違和感のなさは最初から仕組まれていたような気さえします。とてもリアルで、日常的な話の流れです。
山奥、そして車内でじわじわと一線を超えていく様がたまらないです。
息遣いが伝わってきます。
上城の、狡猾且つ手馴れた手解きに感じてしまうくみには間違いなく素質があり、初めての割にはかなり早熟な女の子、否、早々に女に、雌として花開いていく様子が読み手を興奮させますね…。
上城のリードも実に上手くて、自分のしていることのクズっぷりなど頭にない、むしろくみのためを思っているからこそしてあげてるんだとばかりの飄々とした態度がギリギリのパワーバランスを保っています。
くみの部屋で何の躊躇いもなく後ろから行為に及ぶシーンは、年齢差や体格差も相まってむせ返るような雄と雌の匂いが画面越しに伝わってきます。
触り方やセリフ回しもいちいち、心のやましい部分を擽ってくる。
抱かれているくみも、相当に気持ちいいことが分かるのが無理やり感がなくまた良いです。
こんな「良さ」を最初に味わってしまったくみは、これからどうなってしまうのやら…前途多難さはない、大人の女として花開いていくお話だと勝手に期待して続きも購入させていただきます。
とても官能的な作品。