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今月(7月1日~7月31日)
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シーモア島


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アイデンティティについて考えさせる良書2023年10月13日移民による治安悪化や文化の摩擦といった様々な問題を考えるにあたって、本書はその根本的な部分、社会を成り立たせている考え方・アイデンティティについて光をあてている点に特徴がある。
そのため、本書で行われている問題提起は普遍性を持っており、まだ移民問題が明確に問題視されることの少ない日本にとっても参考になる部分が多いように感じた。
特に「欧州から信念や信仰が失われたという事実~中略~それによる影響はさほど頻繁には考察されていない」という問題提起は、日本にとっても他人事ではない問題である。
「信念や信仰が失われた」社会に、その社会とは全く違った、信念や信仰が失われていない人たちが大挙して生活した場合、果たして両者が幸福に暮らせる余地があるのか、余地があるとしたらどういった場合なのか、結局のところ本書にその答えがあるわけではないが、良い疑問を持つのに適した本であると思う。 -
アレントの問題意識を把握できる良書2023年10月12日良い点:冒頭にアレントの半生、原著の「全体主義の起源」が書かれた背景とその難解さの説明があり、原著の執筆にあたってアレントが持っていたであろう問題意識(全体主義がこれまでの政治体制論の中では把握しきれない異例の自己破壊的な事態であること)が分かりやすく書かれている。
本書の大部分もその問題意識を中心として要約されているので理解しやすい。
悪い点:アレントの考えを引用を交えながら解説しているため、若干、どこまでがアレントの意見で、どこからが牧野氏の意見なのか、分かりづらい部分がある。
また、牧野氏の注は非常に詳細で分かりやすいのだが、電子書籍版にも関わらず本文と注のリンクがないのは非常に残念。いいね
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