このレビューはネタバレを含みます▼
社会問題って名前だけが先走ることがある。ネットのニュースやツイッター(X?)、TikTokなどメディアは問題をわかりやすく「切り取る」ことに長けている。背景、歴史、現代人の気持ち…そういうものをある程度わかりやすくして箇条書きやショートムービーにすることで人から人へ伝播していく。しかし、箇条書きの間にある行間はだれが埋めてくれるのだろうか。問題提起をした当事者の歩んできたストーリーはどうやって伝えればいいのだろう?キーワードだけが大々的に独り歩きをして社会現象を起こす。そうした事態の処方箋がわたしは漫画や映画などのサブカルだと思う。ただ下手なポリコレは不自然さやお説教くささが目立つ。この作品はお説教くささはありつつも、主人公への共感やキャラのリアルな境遇に作品として面白さがある。後半は「男らしさ」に言及していく兆しがあり、女性向けながらも完璧な男性がでてなくて大変好感が持てた。興味がある人もない人もぜひ読んでみると自分なりの発見があると思います。