このレビューはネタバレを含みます▼
商業blは食指が動かないとなかなか手を出しにくいですが、立ち読みで一話を読んでどうなるのか気になれば買って損無しの作品でした。
見た目年下(実際年上ですが)の美形攻✕真面目な地味年上受が好きならば即買いをお勧めします。
数百年生きている悪魔のダンテは人の心の機敏が分からず興味もないので、平凡な料理に虜になる魔法をかけて出すが、料理に純粋で才能ある冴島には通用しないという「おもしれー男」の始まり方です。
よかったと思うのは、冴島が始めからゲイでありノンケイケメン好きという設定のため、ダンテからの初手インキュバス行為を好意的に受けとる流れが無理無く進行することです。
すぐ好きになって基本デレ気味な冴島に対し、上質な餌として死ぬまで囲おうとする様は本当に「悪魔」なダンテですが、冴島の密かな微笑みにときめいたり冴島の悲しみや切なさという心の動きに胸を痛めるようになるなど、本人も知らぬうちにどんどん好きになっていく人間くさい過程がたまりませんでした。
Hシーンでも最初はフツーにスカしてた(彼にとってはグルメ満喫なので)ダンテが、だんだん頬を染めたり必死になって攻めるようになる様は最高です。
補食行為から愛ある行為になったのだなとシミジミまでしました。
冴島も変にオジサンぶりすぎず、どこかピュアなかわいさがあるので中年受初心者には良かったです。
冴島の師匠のジーノがまたいい味のイケオジで、ダンテの恋心を煽ってくれてます。
このキャラがたまらない方も多いと思います。
サブキャラもそこまで適当でないのは良作の証だと思います。
一冊で内容的には完結しているものの、なんと続編が出るとのことでとても楽しみです。