このレビューはネタバレを含みます▼
エジプト神話をベースに作者の改変と創作を加えて、とても読み応えのある漫画です。BL要素ありの一大叙事詩。神話の世界観なので殺戮も近親婚も魔法も異界もなんでもあり。そこに人間の業や愛憎劇を落とし込むのが見事です。登場人物のキャラ造形も秀逸。
難点は、話のとっかかりが分かりにくいことですかね。ずっとBLしてる話ではなく、特に最初は30巻くらいまでほぼBL描写無し。登場人物の相関関係も把握しづらい。メインの二人が被り物をしてるので表情による感情移入もしにくい、そもそも見分けがつきにくかったり…。
読み進めるとちゃんと分かってくるので少し辛抱です。ずっと被り物をしてるセト様の全貌が現れた時は萌えます笑。被り物が効いてるとすら思います。
セトは、本人の意志ではなく劣情を煽ってしまう不憫受けな反面(セト神は性欲の神でもある説も…)、傲慢残虐殺戮の悪神でもあり。第二部はセトが己の罪業と向き合う話でもあります。私は、今の所ですが、第二部にもとても引き込まれています。