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今月(6月1日~6月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 星降る王国のニナ

    リカチ

    3人の孤独
    ネタバレ
    2023年12月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 12巻までよみました。
    ニナはアズと出会って孤独から救われ、セトはニナと出会って孤独から救われた。
    “星の力”により再びニナが孤独に陥った時、今度はセトが救ってくれた。
    心を閉ざし自分を守っていたセトや、自分の“星の力”に恐れ怯えたニナには、「自分」がある。
    「自分」であるからこそ苦しみ、だけど「自分」があるからこそ立ち上がれる。
    だけど、アズには「自分」がない。
    王子の身代わりとなり、国のために生き、国のために死ねと、「自分」であることが許されなかったアズ。
    そんなアズは、ニナを欲することで初めて「自分」を自覚し、ニナを守るため王にまでなった。
    しかし、その感情がニナの持っている“星の力”によるものだとすれば、ーー「自分」がないアズーー空っぽの自分はそれを否定することができない。
    ニナを守るために王になったのに、王であるが故にニナを苦しめる立場になってしまった。
    空っぽの自分から、脅威となるフォルトナから、逃がす(追放する)ことでしか、ニナを守ることができない。
    離れることしかできないーーそれもまた紛れもない愛情だと思うし、それこそ「自分」がある証ではないだろうか。
    ニナからもらったフィタ(組紐)をそっと箱にしまい(11巻の最後)、一人孤独に茨の道を歩むであろうアズが、どこに辿り着こうとしているのか。
    ニナやセトがアズと再会する時、何が起こるのかーーー願わくは、3人とも幸せになってほしいと思う。
    《追記》
    アズがニナを守るために逃がした(追放した)と解釈したのは、1.ソルに護衛を頼んだこと(ニナが失踪しちゃったけど)、2.セトがニナを追うのを黙認したこと、3.ムフルムをスタービアに追放したこと(大事な存在は遠ざける)からです。解釈が違っていたらすみません。あと、2巻に出ていた「剣と盾」が象徴的で、ここからセトは一途で強い愛情(剣)、アズは切なくて深い愛情(盾)なのかなとも思っています。